あなたの隣にいる人、ほんとに人間?
みなさんは、哲学的ゾンビという言葉をご存じでしょうか。
哲学的ゾンビとは外見は人と全く区別がつかず、体のつくりも全く人と同じにもかかわらず、主観的な体験や意識を持たない生物のことです。
例えば、美しい花を見て、「とてもきれいね」といったとしても、本当にそう感じているのではなく、機械的に脳が反応しているだけなのです。
つまり、哲学的ゾンビは人と全く同じ反応をしますが、そこに心はありません。
さて、この哲学的ゾンビという概念をふまえた上で、あなたの隣にいる人、あなたが好きな人、あなたの家族は人間であるといえるでしょうか。
また、もし仮に哲学的ゾンビだったとしたら何が変わるのでしょうか。
最近、あなたはA子さんのことが気になっています。
A子さんはいつも人にやさしく、いつも笑顔で、いるだけで場が明るくなるような素敵な人です。
しかしA子さんは哲学的ゾンビです。
あなたはふとしたことからA子さんが哲学的ゾンビであることを知ってしまいます。
その時あなたはどんな反応をするのでしょうか。
好きではなくなるのでしょうか。
以前のように話せなくなるのでしょうか。
ぼくはそうなってしまうと思います。
でもちょっと待ってください。
A子さんはいっさい変わっていません。
人と同じように笑うし感情表現もする。
ただ感情がないだけです。
では感情は本当に必要なのでしょうか。
人間には感情があるのでしょうか。
そもそも感情とは何なのでしょうか。
あなた自身も哲学的ゾンビではないといいきれますか?
あなた以外の人はみな哲学的ゾンビなのかもしれません。
そしてAIが進化して哲学的ゾンビと同じようなものが作られたとき、人は受け入れることはできるのでしょうか。
今回はそんなお話でした。
それでは。